【試合できます!】小学生のサッカーとエーレSCにおける試合のあり方

保護者ガイド

はじめに

小学生年代のサッカーは、「勝つこと」だけが目的ではありません。プレーを通じて技術や判断力を養い、仲間とともに成長する大切な時間です。しかし、ジュニア年代のサッカーには「8人制」という特有のルールがあり、「なぜ11人ではないの?」「人数が少ないうちのチームでも大丈夫?」といった疑問や不安を持たれる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、8人制サッカーが子どもたちにとってどんな学びの場となっているのか、そして人数が少ないチームでもどのように工夫して試合経験を積んでいるのかをご紹介します。エーレSCの現場で実際に行われている取り組みも交えながら、保護者の皆さまに安心していただけるような内容をお届けします。

ジュニア(U-12)年代におけるサッカーの特徴

8人制サッカーとは?

「なぜ小学生のサッカーは8人制なの?」
そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。実は、成長段階にある子どもたちにとって、8人制サッカーは学びの多い環境を提供してくれる仕組みなのです。

以下に、その主なメリットをご紹介します。

  • ボールに関わる機会の増加
    選手数が少ないことで、自然と一人あたりのプレー回数が増えます。さらに、同じピッチサイズで試合数を増やせるため、より多くの子どもたちが実戦の場に立つことができ、経験値が大きく伸びます。
  • 多様なプレー体験ができる
    攻守の切り替えが早い8人制では、子どもたちはひとつの試合の中で複数のポジションや役割を体験します。これにより、視野の広さや柔軟な判断力、チームワークが自然と育まれていきます。
  • 限られたスペースを最大限に活かせる
    従来の11人制では1試合に22人が出場していたフルピッチも、8人制なら2面のコートを設置可能。その結果、最大32人が同時にプレーでき、より多くの子どもたちに「出場のチャンス」が生まれます。

コートのサイズとレイアウト

前述した通り8人制サッカーのピッチサイズは、通常の11人制よりも小さく設定されます。

  • フルサイズのサッカーピッチ(100~110m×64~75m)を横に2分割して使用するケースが一般的です。
  • 一般的な8人制のピッチサイズは68m×50m程度(大会によって異なる)とされており、大人の試合よりもコンパクトに。
  • ゴールのサイズも小さめ(高さ2.15m×幅5m)に設定され、シュートやセービングの難易度が調整されています。

これにより、同じグラウンドでより多くの選手が試合を経験できるというメリットが生まれます。

勝敗よりも「成長」が重視される

心身の成長が著しい小学生のサッカーでは、「勝つこと」よりもプレー経験を積むことや、技術・判断力を伸ばすことが重要とされています。そのため、試合に出ること自体が大切な経験となり、結果よりもプロセスが重視されます。またリーグ戦形式の大会も多く、試合を通じて学びを深めることが目的とされています。


人数の少ないエーレSCの試合

とはいえ、8人制サッカーを行うには、8人+控えの最低10人程度必要なのでは…
「うちのチームはそんなに人数がいないけど、大丈夫?」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、ご安心ください。子どもたちにできるだけ多くの実戦経験を積ませたいという思いは、どのチームの指導者も共通です。そのため、練習試合ではチーム間で相談しながら、状況に応じてフレキシブルな対応を行っています。

たとえば、以下のような工夫がよく見られます。

  • 6対6や5対5といった少人数制で試合を行う
    人数が足りない場合は、ピッチサイズを調整して少人数での試合に切り替えることもあります。少人数制ではプレーのテンポが速く、攻守の関与が増えるため、判断スピードや連携の意識を育む良いトレーニングにもなります。
  • 足りない人数を他チームの子どもに助っ人で入ってもらう
    「人数が足りないならうちの子を貸すよ」と快く声をかけてくれるチームも少なくありません。これにより、普段とは違うチームでプレーすることで、子どもは新しい役割やプレースタイルに挑戦できます。また、自チームで出場時間が限られる子にとっては、思いきり試合を楽しめる貴重な機会にもなります。
  • 学年の枠を柔軟に調整し、特例として出場してもらう
    人数が足りない場合等では、上の学年の子どもに特例で参加してもらうこともあります。たとえば、4年生以下の試合に5年生を加えてもらうことで、人数を補いながら試合を成立させます。こうした調整は、あくまで子どもたちが試合を経験し、実戦の中で学べる機会を確保するために行われています。

このように、チーム数や人数に左右されず、子どもたちに「プレーの場」を届けるために、現場では日々さまざまな工夫がなされています。

各チームの指導者も大きくサッカー全体を考えておられるので、

稀に見られる『特殊ルール』

ジュニア年代ではそれぞれの団体や地域で大会を主催しており、その大会の目的に応じて個性的なルールが展開されることがあります。

全員出場ルール

大会によっては「全員出場ルール」が適用されることもあります。これは、特定の子どもだけが試合に出るのではなく、すべての選手がプレーを経験できるようにするためです。これにより、多くの子どもが試合の楽しさを感じ、意欲的に練習へ取り組めるようになります。また、勝敗に関わらず出場機会が得られることで、子どもたちのモチベーション維持にもつながります。

指導者による試合中の指示出し禁止

ごく一部の大会では、試合中に指導者が細かい指示を出すことを禁止するルールが導入されています。これは、子どもたちが自分自身で考え、判断し、プレーする力を養うことを目的としています。大人の声に頼らず、自分たちで話し合いながら解決する力を身につけることが求められるため、選手自身の主体性が試される場面が増えることになります。

リトリートラインの設定

特に低学年の試合では、「リトリートライン」と呼ばれるルールが適用されることがあります。これは、ゴールキーパーがゴールキックを行う際、相手チームが指定のラインまで下がらなければならないというルールです。これにより、キーパーやディフェンスの選手がプレッシャーを感じすぎることなく、落ち着いてプレーを始められる環境が作られます。

まとめ

小学生のサッカーは勝ち負けだけでなく、子どもたちが楽しみながら成長する場であることが何よりも大切です。
8人制サッカーの採用や子どもが主体的にプレーできるよう配慮されたルールには、一人ひとりがしっかりとプレーの主役になれるようにという願いが込められています。

エーレSCでも、人数の多い・少ないに関わらず、できるだけ多くの子どもたちが「試合に出られる」機会を持てるよう、指導者同士で相談しながら柔軟に工夫を重ねています。
人数・学年の調整や助っ人の受け入れなど、子どもたちがボールにたくさん触れて試合の楽しさを実感できる環境を、地域の仲間に支えられながら保っています。

「このチームで試合なんてできるのだろうか…」
そんな保護者の方の心配も、どうか安心に変えてもらえたらと思います。

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